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木村紅美さんの小説です。

カラテカの矢部さんの描かれた『大家さんと僕』は、
確か何かの賞を獲ってましたね。
って、未読なんですが。^^;

この小説は、その『大家さんと僕』の真っ黒バージョン!と
仰ってる方がいて、
性格の悪い私は、本家よりも、そっちに手が出ました。

本家は読んでない。本家は読んでない。
テレビでちょこっと紹介された部分以外は。
だけど、成程、黒バージョンだわ…。
人間との関わりが今一不得意な私は、
背筋がぞぞぞと寒くなるような作品でした。

何が怖いって、
全てが悪意じゃなく、思い遣りからなされる行動だってところ。
例えば、留守中のお掃除とか。
例えば、繕いが必要なモノの修繕とか。
日々の食事とか。
故ないおこづかいだとか。

怖い! 怖いよ~~~。
大家さんだから、合鍵を持っていて、
その合鍵で勝手に部屋に入っては、
片付けとか、ん~~、なんて言うんだろ?
親が、独り立ちしてない子どもの世話を焼くような色々を
さらっとやっといて ”くれる” んですよね…。
で、自分の部屋は サロン と呼んで、
店子さんが立ち寄って、食事したり、おしゃべりしたりする場に
している。いつでも。
食事の何もかもも、大家さんの持ち出しで。

いつのまにか、生活を侵食されているような感じ。
親でもないのに。
ってか、親であっても、ときにはうざったいことなのに。

でも、ここがキモなんでしょうが、
一人暮らししてる人って、ちょっとだけ人恋しいこともあるし、
一人暮らしって、何かと不経済でお金がかかるでしょ?
「外食だとお金かかるし、ボリュームあるし、栄養のバランスもいいわよ。」
なんて、言われちゃうと、つい、ふら~っと引き寄せられたりしちゃう。
ついでに、「頑張ってるわね!」的にお小遣いなんて貰っちゃうと
最初の内は、抵抗があっても、段々慣らされて
なんかお得感しか残らなくなってきたりする。

しかも、そう言う ”お世話” を断っちゃうと
なんか、却って寂しい思いをさせてしまうようで
罪悪感なんか感じるようになっちゃう。

こうして、知らず知らずの間に
ただの大家さんだった人の生活に取り込まれて行く…

みたいなね?
何とも言えない、不気味な感じなんですよ。
好意が怖い。
ホント、マジで。
いや、好意だから怖いのか…。

絡め取られる方が悪い。
と言う見方も十分に成り立つけれども、
でも、やっぱりそれだけではないような気もします。

『大家さんと僕』を読んだ後だと、
更に面白いかもしれません。
でも、単体でも、背筋寒くなれます。
心霊ものでも、オカルトものでも、犯罪ものでもないのに
「うわぁ~~~~」となってみたい方に
お勧めします!



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