こうの史代さん原作のマンガをアニメ化した作品を見てきました。
たぶん、ですが
私、こうのさんの絵自体がもう好きなんだと思います♪
『夕凪の街 桜の国』も
『ぼおるぺん古事記』も
そして、今回の『この世界の片隅に』も
(これに限っては、アニメの絵だけど)
絵が好きですもん…
そこはかとなく漂う、おっとりしか感じが好きなのかなぁ…
私自身が、頭の回転早い人じゃないから。

で、さて、感想ですよね。

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覚悟はしていた。
覚悟はしていたけど、やっぱり、心に刺さる映画でしたね。
アニメ映画ではありましたが、
座席のお客さんの年齢層がそこそこ高かったのが印象的でした。
そして、洟をすする音も。

普通の人たちの異常な体験の物語です。
普通なんですよ。ホント、普通なの。
親戚にお使いに出されたり、その途中のふざけっこで
ドロンドロンになったり。
夏のさなか、冷やした西瓜食べて、お昼寝して。
お家のお仕事手伝ったり、
恋をしたり、やきもちやいたり、
病気になって、補いあったり。
畑の世話したりね。
いじわるされたり、心配りしたり、されたり。
等身大なんです。何もかも。
私たちと全然変わんない。
ごく普通の家族がそこに生きている。

ま、多少、生活の様式に違いがあったりとか
ちょいちょい違いはあるんだけど。
大元の、人として生活しているって点においては
おんなじなんです。私たちと。

なのに。
その当たり前の生活を引き裂くように空襲!!
ここでも、庇いあったりして
非常事態の中にも、普通の人間が生きています。
その普通さが、
もう、どうしようもなく、やるせない気持ちにさせるんです。

なんで!? どうして!? と、
まるで、実際の自分の知り合いがこんなつらい目に会ってるような
錯覚を起こします。
どうして、ごく普通の人たちがこんな大変な目に遭わないといけないの!? 
って、口からこぼれそうになります。

答えは簡単。
戦争だから。
なんですが、その一言で片づけられていいことじゃ
絶対ないんです。
すべてが理不尽です。
地団太踏みたくなるほど、その理不尽に怒りがこみ上げます。

舞台は広島。
戦争になるだいぶ前から、戦争が終わって
呆然自失の事態から少し意識が戻ったくらいまでの時間が
描かれます。

主人公のすずと言う女性は、請われて広島市から呉市に
お嫁に行ったがために、激しい空襲を経験しますが、
のちに広島市に原爆が落ちたことを考えると
難を逃れたと言っていいのかもしれません。
しれませんが、すずの親兄弟、親戚、友だちは被爆してしまうわけで。
大きく括れば、原爆の被害者です。

被爆した人たちの様子が直に出てくるのは、
ストーリーとはほとんど無関係な子連れの女の人と
すずの妹だけです。
すずの妹は、目眩で寝込んでいて、腕に痣をいくつもこさえてます。
でも、外見は他に変わったところも見られず、
冗談なんか言えたりする状況。
見知らぬ女の人のほうは、所謂、一番つらかったであろう
”被爆” した姿でチラリと出てきます。
だからなのか、余計になんだかすずの生活がリアルに
近しく感じたりして。

最後は若干の希望を孕んだ描かれ方をしますが
戦後の復興していくときの厳しさを
知識として知っている身としては、
苦い何かを飲み込むような心地がするラストです。

あぁ、漠然とした印象のみ書いてしまいました。
これは…ねぇ
観客動員数が徐々に増えていると言うのが
納得できるような作品でした。
ストーリーを説明するって映画じゃない… と思います。


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