角田光代さんの作品です。
同作家さんの作品で読んだことがあるのは
『八日目の蝉』かな。
あと、なんとなく知ってる作品は『紙の月』。
両方とも、まぁ、明るいストーリー展開じゃないですね。 ^^;;
この作品もまた…です。

この作品のことを知ったのは
『グレーテルのかまど』と言うNHKの番組で、でした。
一応、お菓子の料理番組だと思うんですが、
レシピよりもそのお菓子が出てくる物語とか、
お菓子にまつわるエピソードのほうに
重点を置いて紹介してくれる番組なんですよね~。
この本が紹介された時のお菓子は ”ホームメイドケーキ” でした。

”ホームメイドケーキ” って聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
料理上手で優しいく明るいママですか?
幸せを絵に描いたような一家団欒ですか?
どちらにせよ、プラスにイメージを抱くと思うんですが、
この小説は、そのあったかなイメージを逆手に取るような展開です。

なので…
読み終わって、なんか、ブルーです。
人の心をどん底に落とすような漆黒の物語じゃなく、
心がすっと軽くなるようなさわやかな話でもなく
ドキドキハラハラするような冒険ものでもなく、
スカッとするような大逆転の物語でもなく。
雨が降りそうなほど重く垂れこめる雲のあいまいな灰色の物語でした。
ただただ、心が憂鬱に沈む物語。(笑)

♪ 何がキミのしあわせ 何をして喜ぶ
   分からないまま終わる
   そんなのは イヤだ            ♪
と言うのは、アニメ 『アンパンマン』 の主題歌のワンフレーズですが
私は… 分からないんですよねぇ…
もう、全然分かんない。 つまんない人ですよねぇ、私 σ(--;)

あ、私のことはちょっと置いておくとして。

この物語の主人公は、37歳の女性
友だちと共同経営という形で古着屋さんを営んでます。
恋人もいて、その恋人から結婚を申し込まれているあたりから
話が始まります。
こう書くと、主人公、めっちゃ充実した日々を送ってそうですが…

え、結婚!? どうして結婚!?
別にいいじゃん、今まで通りで。

って思考になっちゃう。
で、このことをきっかけにして
改めて、自分のことや、仕事のことや、人間関係のことを
見つめなおすことになります。

これを、爽やかにストレートにやっていけば、
自分探しの明るい話になっていくんでしょうが、
ストレートにやっていかないところが角田さんなのかな。

登場人物たちは、どの人も経済的な逼迫はなく、
それなりに自分のやりたいことをやっている 所謂、幸せな人たちって
くくられそうな人たちなんですが
(一国一城の主だったり、デザイナーだったり
 編集者だったり、専業主婦だったり)
だーーーーーーーーーーーーーれも、幸せな人がいない。

隣の芝生は、そりゃ青いですが
ないものばかり数えて、持ってる人のことを妬んで
それを隠すかのように、その人をこき下ろすようなことをしています。

もうそれが読んでいて、めっちゃ疲れます。
羨ましがられるような生き方をしているのに
足りない、足りない、もっと欲しい
他人を見ると、あーやだやだ、ああにだけはなりたくない
って、否定ばかりを繰り返す。

それが素の人間らしいと言えば、言えるのかもしれないけど、
間違っても優しい気分になったりできません。
えと、私は。

やりたいことをやる
やりたくないことはやらない
と生きている人たちでさえ幸せじゃないのなら、
それすらも分からない私は、一体何!?

どよよ~~~~~~~ん…
って音がしそうなほど、落ちました。はい。



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