ふふ、変わったタイトルですよねぇ… ^^
有沢佳映さんと言う方の小説です。

以前、ちらっとここに書いた
読書イベントで話題に上がった内の1冊で
行ってなかったら知らないままでいたであろう作品です。

内容は
2泊3日で中学3年生の子たちが京都・奈良へ修学旅行へ行くんですが
行った子たちではなく、行けなかった子たちにスポットを当てるという
ちょっと変わった趣向。

行けなかった子たちは、じゃあどう過ごしているのかと問えば
その間も毎日学校に通うことになってるんです。
病欠じゃないからね。

行けなかった子たちは、全部で7人。
語り手である三浦佐和子、足を骨折して行けず。
岸本雅、芸能人であるが故に、騒ぎにならないように参加を断念。
野宮千里、所謂施設の子で、経済的理由及び、慣例から不参加。
小田知也、野宮千里と同じ。
片瀬幸博、喧嘩沙汰で、謹慎のような扱いで不参加。
湯川仁稀、転校してきたばかりと言うことと、
まぁ、修学旅行に興味がなかったが故に不参加。
秋吉直人、ずーーーっと保健室登校中で、当然のように今回も不参加。

この7人が(最初の内は6人だけど)過ごす3日間の話。
何か物凄く特別なことが起きるわけじゃない普通の中学生の
普通の3日間なんですが、
なんだろうな、どうしてだか、面白いんですよね…。

自分がその年頃だった頃、普通の子だった私の日常は
ことさら刺激的なことで埋め尽くされていたわけじゃありません。
だけど、それでも、毎日が退屈じゃなかった。
拙い友情も、幼い恋愛も、嫉妬も自負心もコンプレックスも
全部全部ぜ~~~んぶ一緒くたにごた混ぜにして
ただ、そこに生きてたなぁと思い出したりしています。

そんな ”あの頃” がリアルな作品。
だから、読みながらどこかこそばゆく、懐かしく
自分の心の中、少女だった頃の部分がざわっとするんですよね…。

語り手の三浦さんが恐らく、最も平均的な中三女子なんだと
思われるんですが、
口には出さない部分、つまり、頭の中で考えてることと、
なんとなくの均衡を崩さないために、選択する言葉と
あ~~~~、分かる分かる! って、
自分が如何にどうしようもなく平凡というか、アベレージ的な人間なんだ
と言うことを再確認します。
でも、それは不快感を伴いません。
なぜなら… なぜなら…? 
た、たぶん、もう随分と長く生きたからです。(笑)

この3日間が過ぎてしまえば、この7人の関係性はまたもとの
”ちょっとは見知ってる同級生” に戻ってしまう気がします。
某劇中劇の『通り雨』みたいに、何事もなかったかのように、ね。
だけど、何もなかったわけじゃないことも
各々感じてるんだろうなと思わせてくれる作品です。

『クララ白書』あたりの話の展開がお好きな方は
お気に召すんじゃないかな。
自分の ”あの頃” にざわめきたい方にお勧めです。


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