やっぱり ”books A to Z” で紹介された1冊です。
津村記久子さんの作品で、タイトルから想像した
いろんな分野のお仕事の地味ぃ~な大変さを綴る小説、とは
ちょっと趣が違いました。

36歳の主人公(♀)は、燃え尽き症候群で前の職を辞し
ただいま、なんとな~~く短期の職を転々としています。
心のリハビリをしているような感じと言えば分かりやすいかな。
小説は、その短期の職に就いた様子を追うような形で進みます。

章は全部で5つ。つまり、はしごした職は
みはりのしごと、バスのアナウンスのしごと
おかきの袋のしごと、路地を訪ねるしごと
大きな森の小屋での簡単なしごと
の5つ。
こうやって、各章のタイトルだけ見ていると
大事件とか、起こりそうにもないのに… 
主人公、運がいいのか悪いのか
心のリハビリとしては、ちょっと劇薬… かも!?

それぞれ、どれも想像を絶するような難しい仕事
では、ないんですが
確かにタイトル通り、”たやす”くはありません。
どう容易くないのかは、もう、読んでいただくしかありません。

だって!!!

入口は、あぁ、簡単な仕事だねって確かに始まるのに
出口が、え、こっから出るの!? 的なもんで、
あらすじ書いちゃうと、もう、それだけで魅力半減しちゃうから。

全体的な印象だけでも記しておくと
雰囲気、『世にも奇妙な物語』 です。
紹介された仕事もそうなんですが、
仕事を紹介してくれる場所と言うか人もそれっぽいんですよ。
所謂、普通の職安ぽくない。
全然怪しいという描写がないのに、怪しく見えちゃうんですよねぇ
私には。 (病んでるかしら??)

5つの職を渡り歩いた結果、
主人公、ちょっと元気になったみたいです。
もう1度、燃え尽きちゃったはずの仕事への熱意を
取り戻しつつあって
やっぱり怪しい(?)仕事の紹介人が
この絶妙のタイミングで、前の職と同じ種類の仕事を紹介してきます。
読み手はそして
あ…、彼女、また同じ仕事で頑張れるかもしれないな
と予感させられます。

燃え尽きるほどに頑張っていた仕事については
もう繰るページがほとんどないような状態になって
初めて明かされます。
でも、主人公の名前は最後まで1度たりとも出てきません。
主人公の心の内は、いちいち文字になっていますが
(なかなかなに面白いツッコミをする人であります♪)
周りの人の心の声は記されません。
その辺にどう読んで欲しいのかってのがチラリと見える気もします。

現実から遠く離れたフィクションもいいけれど
限りなく普通なのに、でも、ホントはかなり普通じゃない
ってタイプのお話が好きな方にお薦めです。

『ヨニキミョ』がお好きなかた! 楽しめますぞ。




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