小谷田奈月さんと言うかたの作品です。
これも、”books A to Z” で紹介されていた1冊。

この作品はこの作家さんの2作目のようですね。
1作目は『星の民のクリスマス』…
いや、これは改題のあとだから、
『今年の贈り物』と言う方が正しいでしょうか。
第25回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作だそうです。

何とも言えない摩訶不思議感が身の内にくすぶるような読後感です。
あ、でも、決して不快な感じではなく、寧ろなんか心地いい感じで♪
音にすると、ユランユランワクワクって感じかなぁ…

ジュンという中学2年生の視点で物語は幕を開けます。
でも、そののっけから、ちょっと面食らう人もいるかもしれない。
ジュンが描写する世界は、すべてが音だから。
オノマトペに似ているけど、ちょっと違うかな。

普通、日本語を解する人が ”青” と言う音を聞いて思い浮かべる
所謂 ”青” と言う色があると思うんですが
ジュンはそれがおかしいと思うタイプの子。
アオ と言う言葉の響きでは、到底 青と言う色を表現できない、と
そう言うんです。
アオから想像されるのは、もっと暗くて重い色だ、と。

確かに、音相と言うものはあると思うし、
なんとなく分からないではないけれど、
名詞も動詞も形容詞も何もかもをその感覚で
元の姿の片鱗なくひっくり返されたら会話が成り立たなくなります。
そう。だから、このジュンと言う男の子、話がなかなか通じない。
正確に言うと、ジュンはこちらの言うことが分かっても
ジュンの言うことが、こちらにはなかなか伝わらない。

ジュンは天才と言えば、天才。でも… です。
冒頭、ジュンの独白のようなイメージで始まるこの物語。
だから、最初私は気がつかなかったんですが
ジュンはどうやら知的障害者のようです。
(そうですよねぇ。自分を人とちょっと違っていると思うことはあっても
 決定的に、自分がおかしいと思う人はいないですもんね。)
でも、天才なんです。
どんなものでも、音に置き換えて表現できる。
そして、それをサポートしてくれるかのように稀有な声の持ち主でもあります。

そんなジュンに不本意ではありながら、関わりを持つことになったトク。
物語は、その2人を中心にして回って行きます。
鬱陶しくて、めんどくさくて、ちょっとばっかりバッチイと
ジュンのことを感じながらも、
なんとなく庇護本能をくすぐられて、あれこれ世話を焼くトク。
隠されているジュンの圧倒的な才能を認めずにいられないトク。
そして、その才能に惹かれないではいられないトク。
トク自身も思春期で反抗期で、もやもやを抱えています。

そして、そんな二人を取り巻く学校の環境…
は、まぁ、そうですね。優しい筈はありません。
トクがジュンの世話を焼くほどに、彼らの世界は軋んで
バランスを変えて、存在を押しつぶしにかかってきます。

さて! 二人の運命は如何に!?

上手く言いたいことが表現できないのがもどかしいっ。
もどかしいけど、仕方ありません。
能力が足りないんだもん。 (ToT)

はぁ~~~~~~
言いたいことが言える文章力が本当に欲しいっす。
ま、持ってても、ジュン・タイプだと私の場合は意味ないですが。



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