2015.04.04 漂流郵便局
昔、『漂流教室』って話があった気がするけど…
それとはまったく無関係です(笑)

やはり、”books A to Z”で知って興味を持った1冊です。
香川県の粟島という島にある ”漂流郵便局” に届いた手紙の内
何通かを選んで載せていると言うちょっと変わった書籍。
しかも、その手紙は普通なら誰にも、どこにも届かない手紙なんです。

未来の自分宛てであったり、今は亡き人宛てであったり、
どこかですれ違っただけの人宛てであったり。
そうそう。宛先が人ですらない手紙もあります。
そんな手紙が集まって来る郵便局が漂流郵便局…。

元々は、2013年に開催された
「瀬戸内国際芸術祭」への参加作品の1つだったようです。
どういう経緯をたどって、この郵便局を出展されたのか?
そのことについても記されているんですが、
やはり興味は漂流郵便局の私書箱へと寄せられるお便りの数々。
非常に魅力的です。

ネットがこれだけ普及して、交通網もかなり整備された今、
伝達はスピード重視だったりしますが、
事務的な内容はともかくとして、はやり”想い”と言うのは
そんなにビュンビュン伝わらなくてもいいのかもしれません。

葉書と言う限られたスペースに想いを綴るということは、
伝える内容を厳選すると言うこと。
使う言葉を熟考すると言うこと。
そんなん、スピーディーに終わるわけがない。
終わるわけがない… から、たぶんいいんですよね。
送られた文章は、思っていたもしくは考えていた時間そのものだから。
金銭的価値はゼロであっても、値千金です。

本の中、実物のお便りがそのまま載せられています。
その隣のページには、同じ内容を活字にしたものが
添えてあります。
すべてのお便りが、達筆と言うわけではありませんが、
手書き文字の温かみと言うものを感じます。
私は悪筆で、手書き文字は避ける傾向にあるけれど、
へったくそな字でも、手書きっていいかも…
そんな風に人肌のぬくもりを感じさせてくれる構成です。

漂流郵便局の設えについても記述があるんですが
それも、素敵です。
実際に浜に漂着したものの展示があったり、
惑星儀なんていう、摩訶不思議な物体があったり。
そして、私書箱の何とも言えないありさま…
時間と空間を、次元を超えるための仕掛けが納得です。
確かにこれなら、必要な人に必要なメッセージが届く気がします。

”人の心”を如実に語る1冊です。
時間の流れをゆっくりにし、
呼吸もゆっくりにしてくれる1冊です。

深呼吸したい方へお勧め。^^


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