ハリエット・アン・ジェイコブズさんの自伝です。
1813年から1897年に掛けて実在した人なので
日本だと、江戸時代の終わりごろの話。
南北戦争は1861年から1865年なので、
まぁ、タイトルからも推し量れるような内容です…。

『アンクル・トムの部屋』を読んだのはいくつのときだっけかな。
子ども用のダイジェスト版だったから
恐らく、小学生の頃です。
そのときも結構なインパクトがあったと思いますが、
子供向けに編集してある本でしたから
内容は少しソフトにしてあったんじゃないかな。

対して本書。
ストレートです。内容が。
それでも、”口にするのもおぞましい”という表現で
核心から微妙にずらしてあったりはしますが。

アンクル・トムは最期まで神を信じ、人を信じ
辛い労働を強いられる農場から逃亡しようとはしませんでしたが、
この本では、ひたすら追っ手から逃げ伸びることで
奴隷制と戦っていきます。
女性は、合法の強姦(はぁ!?)に遭う恐れもあるから、
その辺は自ずと男性とは違った戦い方になるかもしれません。

それにしても。
なんで人間はこんなにも残酷になれるんだろうか。
そのことばかりが頭の中、ぐるぐるします。
色んな行為のその卑しさに愕然…
同じ人間でありながら、人間扱いしないでいいなんて
どうしてそういう考えに至ったんだろう???

奴隷相手だったら、もう、なんでもあり。
犯罪に成り得ないということが恐ろしい。
約束を反故にするなんて、序の口。
お金も騙し取るわ、気まぐれになぶり殺しをするわ、
レイプはするわ…
考えうる限りのありとあらゆる方法で
人権・人格を踏みにじって行く様子は、吐き気すらしてきます。

自分を高めることは必要なことだけれど、
自分を高める努力じゃなく、
他人を貶めることにより、自分を浮上させるんじゃ意味がない。
と、ピンボケな私は思うんですが…。

黒人=奴隷
という方程式は取り敢えず成り立たないという建前になった現代
だと思いますが、
それでも、有色人種に対する差別はなくなってません。
このへんに人間のダメさ加減が出てるんでしょうね。

ほかの野生動物なら、体毛の色がどうのとかは関係なく
生き残る能力があるかないか、が生き残りの判断基準。
狩りが下手な肉食動物の個体は生き残れないし、
逃げるのが下手な草食動物の個体も生き残れない。
従って、その血筋の子どもは残らないわけだけど。
そのほうが、まだ納得がいくよ。

じゃあ、なんで能力に関係ないところで差別が生まれるのか。
”スタンフォード監獄実験”
で得られた実験結果が証明しているのがその理由なのか???


感動的かどうかは別として、
かつて、こんなにも理不尽な奴隷制度があったということを
知るための資料として、一読すべき本だと思います…



でも、小姫にあんまり読ませたくないなぁ…。



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