2014.09.13 ラストレター
さて、はしゃぎすぎてた前の記事は忘れて。っと。
さだまさしさんの小説の第9作目になります。

内容は前記事にもちらっと書きましたが
とあるラジオ放送局が舞台。
主人公と言うか、物語の語り手は
この東亜放送局の寺ちゃんこと寺島尚人クンと言う
新人アナウンサー。

事の始まりは、聴取率が局全体で悪いから、どうにかしろ!!
と、局長が檄を飛ばしている場面からです。
それを、一癖も二癖もある局員たちが聞いている。
でも、数字数字とやいのやいの言われると、
却って、モチベーションて下がっちゃいますよね。
そこで、試みられる反撃。
この反撃に巻き込まれる形で寺ちゃんは右往左往し、
やがて、1つのラジオ番組を丸々1つ担当することになるんです。

ものが出来上がっていくときの
何とも言えない熱いエネルギーが心地いいです。
なんかちょっと、文化祭とかそういうものを思い出しちゃった。
プロの世界のことだから、もっと切実だろうけどさ。
でも、あれだね。
良いものが出来上がっていくときの空気ってありますよね。
あぁ、成功するな~って予感させる何かがある感じ。

寺ちゃんが担当することになったのは
土曜23時から1時間半の生放送枠。
これ、リアルにかつての”さだまさしのセイ・ヤング”と同じです。
そして、番組の進行表見ると中身も。

番組テーマ曲が掛かって、オープニングトーク。
番組サウンドロゴが入って、”お葉書大紹介”。
ところどころに曲が掛かって(でもAMラジオだから、曲数は多くない)、
大喜利みたいな葉書コーナーがあって
0時の時報前後で”ゆく週くる週”でちょっと厳かな雰囲気になって
”深夜の句会”があって、もう一度”お葉書大紹介”があって
番組の最後に”ラストレター”。
この番組ではヨーヨー・マのサン=サーンス『謝肉祭』より『白鳥』をBGMに
寺ちゃんの心が動いた葉書を読むコーナー。

そう。ラストレターと言えば、『白鳥』なんです。私にとってはね。
まぁ、もっとも、それは正確じゃなくて『セロ弾きのゴーシュ』の
イントロなんだけど。

もう… この構成だけでも懐かしさに泣けちゃいます。
ふと、0時の時報を息をつめて聴いていた頃があったな
なんて、思い出したりして。

とにかく、良きものを作ろうと
良心に恥じないものを作ろうと
一所懸命な空気感がね、とってもいいんです。
そして、送られてくる葉書の内容も。
この本のタイトルになっている「ラストレター」だけでも
小姫が読んでくれるとちょっと嬉しいな。

寺ちゃんは局アナなので、他のラジオ番組でもコーナーを
担当してるんですが、
そのコーナー、めちゃくちゃなようで、
ほんのりスパイスになっていたりします。

メディアに携わる人には
いや、勿論それ以外の人にもだけど、
ところどころ、チクリと刺さる言葉もちりばめられています。

昭和という時代が、今よりも良かったとは言いません。
今のほうがいいに決まってる。
でも、ぬくもりと言う言葉が似合うのは、昭和かもしれません。
残念ながら(?)、大姫も小姫も平成生まれの平成育ちなので
この『ラストレター』を楽しむことは出来たとしても、
味わうことは出来ないかもしれません。

でも、昭和を長く生きた同胞のみなさま。
きっと楽しめる1冊です。

ねぇ? 昭和と言う時代も、悪くなかった… ですね!



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