丸太小屋の扉を開けると
目がくらんで一瞬何も見えないほどの日差し。
目を瞑って、大きく息を吸うと
鼻孔をくすぐる緑のかほり。

小屋の扉は開けっぱなしにして
風は入り放題にしておこう。

なだらかな坂を駆け上って行こう。
あー、息が苦しい。心臓がバクバクする。

足が重たいのは、きっと靴のせい。
だから、靴を脱ぎすてる。

腕をうまく振れないのはきっとおしゃれな上着のせい。
だから、上着を脱ぎ捨てる。

足がもつれるのはきっとスカートがまとわりつくせい。
だから、スカートも脱いじゃえ。

アニメ『アルプスの少女 ハイジ』みたいね。
上って来たとおりに、点々と服が転がってる。
もう、脱ぐものがないや。
サロメもびっくりだね!

でも、まだ、重たいの。
そっか、この肉のせいだ。
肉を丸ごとつるりと脱いで、白い骨が姿を現した。

まだ、重たいな。
あ、じゃあ、中身も捨てちゃおか。
肺も、胃も、腸もその場に置き去りにすることにした。
心臓は… 要る?
要らないか♪
脳みそは?
頭だけ重くてもバランス悪いから、要らないや。
頭蓋骨のてっぺんパカッと開けて
中身を取り出す。
あら、一緒に目もとれちゃった。

骨だけになって、カラカラ音をさせていく。
だけど、脳みそがないせい?
今度は、骨同士が絡まるの。

もう要らない。
骨も要らないや。
だって、上手く走れないから。
絡まったままの骨をそこで外す。

あ~~~、軽くなったね~。

一気に一番高いところまで走ってく。
頂上に立つと、白い風が吹き抜けて行った。
あ~~、気持ちいい。
あ~~、いい匂い。

あれ? でも、私にはもう眼もないよ?
鼻もないのに、
風が白かったのはどうして分かったの?
いい匂いなのは、どうして分かったの?

そう感じたのは、一体誰なんでしょう???



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