2013.08.08 丕緒の鳥 Ⅱ
と、言う事でしつこく後半です(笑)

『青条の蘭』
これも、かなり現実めいたお話でした。
森の奥で、ブナの木が罹る奇病が発生!
何故か、ブナの木だけが色が抜けて石化して倒れていく。
ブナの木と言うのは、今一使い道のない木だとかで、
ブナが枯れていく事を気にする人は殆どなかったんですが、
山を調査している役職の人がその危険性に気付いていて…

山がダメになると、海に至るまで全部ダメになる。
今となっては常識の範疇でしょうが、
使えない木が枯れたからって、誰も困らない。
って考えるほうが、まずは自然ですもんね。

木が山を抱き込んで、山が崩れていかない。
色々な木が生える事で、山の生態系を支える。
山の生態系が崩れない事が、川を伝わり
海を支える。里を支える。

そして、いったん山野均衡が崩れてしまうと
もう、人の力ではどうしようもない。

こ、こわいーーー。 リアルに怖いお話です。

何年も何年も研究しながら、山が壊れていくのを
阻止できない日々が過ぎていきます。
でも、漸く、小さな希望の灯がともるんです。
もう、いつ消えてしまっても不思議じゃないほど
儚い希望の灯が。
これを王の下へ届け、助けを求めねばならないところまで
研究が進みました。

ところが、つまんない人たちのつまんない裏切り。
希望が潰えそうになる中、
やっぱり、市井の人たちが頼りになります。
(読んでて、もう、泣きそう! 人ってたくましいよね)

ラスト、とある人が実に手を添えるシーンで終わるんですが、
ん?? 上手くいったん… だよね… ね??
ってな終わり方です。


『風信』
これも、慶が舞台。
予王の末期から、斃れて混乱している状態のあたりのお話。
人には役割がある。
他人から見たら、どうしようもない事であっても
大事な大事な役目があるんでしょうね…。

よく、親が早くに死んでしまった子は
自分の事を責める、と、自分のせいで親は死んだのだ、と
考えがちだと聞いた事がありますが、
ここに出てくる主人公蓮花も多分にその傾向です。
彼女は、ちっとも悪くないのに
そう自分を追い込まざるを得ないような状況であった事が
哀れでなりません。

幸せになる事は、いいことです。
後ろめたさなんて、感じなくていいことです。
でも、これは小説の中のことだけれども
同じように自分を責めながら生きている子がきっといるんだろうな…。
違うのに! 悪くないのに!

穏やかに生きている博士(?)たちが、とても素敵です。
単に浮世離れしてるだけじゃないんだけどな~。
俯瞰で見たら、メッチャ正しいんだけどな~。
その辺、読んでて、じれったくなります。



続きじゃなかったという事で
がっかりしている読者さんも多いようですが、
一読に値するなぁと思います。
ま、ちょっと、十二国記の世界へ小野先生が
1人で先に行っちゃって、
読者、若干置いてけぼりっぽくは感じましたけどね。

でも、やっぱり、面白かったです♪
ってか、興味深かったと言った方がより近いかな…。



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