前にブログに感想を書き散らかした
『神様のカルテ』の続編…かな? 続編、です。
『・・・カルテ』のほうの印象は、
”ふんわり、温かな印象だった”ってなことを書いてますね。
今回も、根底に流れるのは、同じような温かさ。
でも、前と違うのは、その”試練”です。

友人の自殺と言うのもかなりの心的ダメージがあるし、
自分の受け持った患者さんの死と言うショックも
軽くはないだろうとは想像できて、
読み手も少なからず、心を乱されるんだけど…。

ドラマやニュースで自殺の情報が溢れている昨今、
自殺について、すこし感覚が麻痺しているかな、私。
だから、その死に際の描写のない自殺には、
結構耐えられるんです。

医者と言う職業を選んだ人を主人公に据えているのであれば
患者さんの死と言う衝撃は
必ず一度は通る道なんだろうってことも
想像に難くありません。
だから、まだちょっと耐えられる。

だけど…。

今回の試練は2つ。
1つ目は、医学生時代の友人の豹変ぶり。
”医学部の良心”と呼ばれた友人が
患者のために奔走する医のあり方を狂っていると
吐き捨てるように言うほどに変わってしまったこと…。

歳月は、人を変えますが、
それを重々分かっている私でも、これは傷つく…。
心の内側から、食い破られるような痛みでありましょうね。
そうなるにはそうなるなりの原因がしっかりあって
後々それが分かるんですが、
「医者だって人間なんだ。」
と言う考え方は、正論で反論の余地はなく
読み終わった後も、心のどこかに抜けない棘のように残ります。

そして、もう1つはやっぱり”死”なんですが…。
これも病院内でよくある”死”の一つに過ぎないのだけれど、
でもやはり、少し特別になってしまうでしょうね。
この”死”は、本当に痛い。
理想やら、未来やら、志やら、心の傷やら、友情やら、愛情やら
そういうこと全てをひっくるめて
あまりにもたくさんのことを含んでいる一つの”死”。

これは、結構打ちのめされます。


”変人栗原”が中心となって”やらかす”ところから、
その”やらかし”についての追求と対決する場面までが
最大のクライマックス。
人は、
理想と現実を両翼にして天を翔けていくべき生き物
なのかなぁと、しみじみ思ってしまった…。

舞台は信州、時は3月初旬から6月半ば。
春まだ浅い頃から、初夏にかけてのお話は、
これから冬本番になっていく今読んでも、
違和感なく、ふわりと心を温めてくれます。

そういうのがお好きな方、お勧めです。


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