ひろのしんさんのブログ
*絵本と子どもとカントリーライフ*で紹介されていた
長江優子さんの作品です。

昨年の東日本大震災を舞台の背景に
太平洋戦争中の2人の少女の交流を浮かび上がらせるような
二重構造の物語でした。

共通点は、どちらも個人でどうにかなるようなレベルの
災厄ではないということ。
そのやるせなさ、歯がゆさを共通項にしての
物語の展開だったのですけど…
なんとなく、どっちつかずの印象になっちゃったかな。

両方とも、とても重いことをテーマをはらんでいるから
もうちょっとどっちかに絞った展開だとスッキリするかもしれません。

ストーリーは、少し認知症が始まったおばあちゃんが
家出をして、震災当時中学二年生だった波菜子の家へ
やって来たところから始まります。

家出のせいもあって3ヶ月も遅れて届いた
おばあちゃん宛のクリスマス・カードには一言。
”I may forgive you.”と。
どうやら、”許してあげてもいい”と言う意味のようです。

気にはなったものの、そのことについて
波菜子はおばあちゃんに訊けないでいたところ、
地震のイタズラでそのカードの送り主とおばあちゃんの
交換日記を発見してしまいます。

さて、そこに記されていたのは…
ってな展開。
そして、同等の重さでもって、震災後の時間が
戦争時の時間と並行するように流れています。

地震にも翻弄されながら、
おばあちゃんとカードの人のことを時を遡るようにして
探っていく波菜子。
でもそこには、度々起こる余震の緊迫感も
知ってはいけないかもしれない過去を探っていく緊迫感も
あまりないかな。

それがリアルと言えば、リアルなんだけどね。

物語が進むにつれ、
かつての少女たちの身の上に起こった大変な経験も
戦時中、それぞれの人が様々な思惑でとった行動も
そして、
現在起きてしまっている福島の悲劇に対し、
やれることは少ないながらも、
何かしら行動を起こそうとあがく姿も
はっきりと像を結んでいきます。

人は、絶望的な状況の中でも、
最後の最後のところで、希望を手放さない生き物なのかも
しれません。

なぁんて。
大事なことを謳っている作品ではあるんですが、
あまり私とは相性がよくなかったようで…
残念。


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