2012.06.14 悪い本
怪談えほんシリーズ第1巻の1冊です。
文章を宮部みゆきさん、絵を吉田尚令さんが描かれています。

このシリーズ、読んだのは1,3,5の奇数巻のみ。
(意識してそうしたわけじゃないんですが、
 2,4はあまり心引かれなかったので…。)
そして、奇しくも、5巻から遡るような形で出逢いました。

『悪い本』…。
偶然最後に読むことになったになったのではありますが、
そう言う巡り会わせだったのかな。
5 → 3 → 1
の順に読めて良かったです…。

これは、あくまでも私のイメージですが、
この順番で読むと、
「魔」がどんどん近づいてくるように感じます。

うん。
『ちょうつがいきいきい』が身近な街にいる「魔」で、
『いるの いないの』では、「魔」は家の中にいて
そして…
『悪い本』では、とうとう自分の身体の中に
「魔」が入り込んでいるのに気付く、的な。

宮部さんの作品は、
普通の人の些細な欲とか、妬みとか
そう言うまだ”悪意”と呼べるほど
はっきりと凶悪な意識に至らない人の心の凝った部分を
ビックリするほど巧みに織り込む。
そんなイメージがあるんですが、
なるほど、そう言う作家さんが書かれたものだなぁと
ゾクッ… としながら、読みました。

これは呪詛です。
掃っても掃っても掃っても掃っても掃っても
どこまでも足元から這い上ってまとわりついてくる呪詛。
なぜなら、
その悪意は、自分の外側にあるんじゃなく、
自分自身の内側にあるから。

だから、逃げようがない。

もし、その自分自身と対決しようと向き合ったら、
もしかして、負けちゃうかもしれないほど力のある
自分の自分自身にすら知られたくない”顔”。

普通、人はそんな自分と向き合うか、
もしくは目を逸らして、ないことにするかで
日常生活を送っていくんでしょう。
考えてみると、なんて危ういんだろう…。

あ゛~~~、怖かった。

私は、これが一番怖かったですよぅ。
サイコ的な怖さが一番堪えます。


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