2011.12.18 夜明けまえ
夜道で迷子になって、心細くて
星明りの下、目を凝らすけれど
進むべき道が見つからない。

下手に動いたら、
もっと迷ってしまいそうで、立ち竦む。
でも、立ち止まり続けるのも不安で
また、歩き出す。

どっちに行けばいいのか
確信なんか持てるはずもなく
ただ闇雲に足を動かしてしまう。
一歩先にあるのは、
もしかしたら大地の裂け目かもしれなくて。
でも、進み続けなければどこにも辿り着けないのも道理で。

そんなときに灯りが見えたら
ほっとしてしまうのは、致し方のないことでしょう。

篝火が赤々と輝いて見えて、
思わずそれに吸い寄せられるように行ってしまう。
安堵で泣きそうになりながら。

だけど、頭の中で警鐘が鳴り響く。
あの灯りは善良な人間のものとは限らないよ、と。
あの灯りはもしかしたら、不安が見せる幻かもよ、と。
夏の日に見える逃げ水のように
永遠に辿り着けない光の悪戯かもよ、と。

どうしよう、近付いたら消えてしまう幻だったら。
マッチ売りの少女が見たマッチの光のように
火が消えてしまったら。
しかも、少女よりもっと悪い事には、
自分はその幻を留めておくだけの
燃やすべきマッチの一本すら持っていない。

灯りは、温かそうで、あまりに明るくて。
だから、
近付きたいけど、眩しすぎて近寄れない。
近付きたいけど、怖くて近寄れない。

暗がりの中、遠く灯りを望みながら
一人、動けない。


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