京極夏彦さんの作品です。
6月11日に予約を入れて、漸く手元に来ました。
ふふ、半年待ちですね。

それにしても、すっごいタイトル!
こんなにも明け透けに
こんなにもはっきりと分かりやすい呪詛!

いいですねぇ。

このあっけらからんとしたタイトルに引かれた
ってのと
紙を使った本と電子書籍化と同時に近いタイミングで
世の中に出たとの情報で
借りる気になりました。^^

さて、ページを開いてみると
この「死ねばいいのに」って言葉は、
他人に対する呪詛の言葉じゃありませんでした。

ストーリーは
鹿島亜佐美と言う女性が亡くなっているんですが、
その「アサミのことについて聞きたい」と
渡来健也というチャラい(?)男が次々に
アサミのことを知っていそうな人のところへ話を聞きに行く
と言うもので…。

一人目が派遣先の会社の上司
二人目が被害者の隣に住む女性
三人目が被害者の恋人って言うか、そんな人
四人目が被害者の実の母親
五人目がこの事件を調べている警察の人
六人目がこの事件の容疑者を弁護する弁護士

「アサミのことが聞きたい。」
見ず知らずの男、それも、得体の知れない男がやって来て
そう切り出す…。
な~んか不気味です。
読み手にも、こいつが何なんだか、
どうして死んでしまったアサミの事を調べてるのか
そう、たった4回しか会って話をしたことがないと
言うことらしいのに
わけが分からなくて、知りたくなってページを繰ってしまいます。

この全編を通して出てくる渡来健也くん
この彼が6人のもとを訪ねていくキー・パーソンです。
自称、バカ。自称、屑。自称、ヘタレ。
確かに、口のきき方も知らないと言えるけど…
確かに、態度もいいとは思わないけど…
単純に物事をスッパリ切り取って理解する様子は、
ちょっと痛快。

物事って相対的に判断されることが多いけど
この健也は絶対的な判断をするんだよね。
その独特の物差しで見るアサミの関係者は、
自分のことばっかりで、見ててイラつきます。
自分だけが不幸、でも、それは自分が悪いんじゃなくて
環境が悪い。
自分のせいじゃないから、この状況もどうしようもない。
アサミに捌け口を求めたのも、
だからしょうがないじゃん、許されるでしょ?
ってな発想形態で、
その身勝手さ、自己中さに辟易。--;

で、その環境が悪いから自分が不幸なんだと言う人に向かって
健也はボソッと言うのですよ。
「そんなに辛いんだたら、死ねばいいのに。」
って。
で、言われたほうの逆上っぷりがまた
ブラックな感じに笑えちゃうんですけどね。

5人目の警察で事態は急変し、
6人目の弁護士との会話で収束に向かわせるんですが…
分かるような、分からないような話の落とし方。
ってか
分かるって言うのが怖い…かな。

ちょっとでも、自分の物の見方、価値観を
ひっくり返して、裏も表も見てみたい人にお勧め、です。



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