2010.11.16 かげ
引き続きすきまな時間より
『かげ』です。

作者は同じ、スージー・リーさん。
やっぱりこちらも、文字は一つもない
絵だけの絵本です。

『なみ』が伸びやかな昼の世界を描いたものなら
『かげ』は妖しげな夜の空間を描いたもの。
でも、こちらも素晴らしいっ!!
や、寧ろ、私が馴染むのはこっちかなぁ~♪♪♪

物置小屋と思しき場所にやってきた女の子。
どう見ても、『なみ』で、波と遊んでた子と同一人物です。
その子が、「パチッ!」と物置小屋の明かりをつけるところから
物語が始まります。

ページの上半分が普通の風景。
ページの下半分が明かりと置いてある物が作る影の風景。
当然のことながら、線対称の世界です。^^

でもね!
線対称なのは、最初の1ページだけなんです!
そこから先は、女の子の想像の世界…。

こ~れがっ、もうっ!
お見事としか言いようがないんですよね~。
私も、小さい頃は、想像の世界でよく遊んだから、
こう言う影の変化の仕方が、
よく! よく!! よ~~く!!! 分かるんです。
最初から、全部、全く別の世界へ行っちゃうわけじゃない。
そう、
見立て、ですよ。見立て。
最初は掃除用具が、次には自転車が
そして、脚立が、ホースが、のこぎりが、壊れた靴が!!
ち・が・う・も・の になって行くんですよね~♪

そして、影の世界が輝きだすんです。
影が輝くって、なんか、変な言い方だけど。^^;
たぶん、本を見ていただけたら、
その表現を分かっていただけると思うんだな~~。

想像の世界がリアルになっていく
うん、そう、頭の中の話なんだけどさ。
でも、そのプロセスが鮮やか過ぎる~~

そして交じり合う、光の世界(現実)と影の世界(想像)。
交じり合って、溶け合って、光と影の逆転が起きる…
み、魅力的すぎんだろーーーーっ!!

でも、想像の世界の終わりはいつも唐突。
子どもって、案外残酷にすっぱりとその世界を捨てられるんだよね。
だって、いつだって戻ってこられるから。^^
この夢の世界にも終わりがやってきます。

「ごはんですよー!」
って声で!! (爆笑)

リアルだ~~、物凄くリアルだ。
そうだよねっ! ご飯にゃ勝てないよねっ!
その声で、バラバラバラって音がしそうな崩れ方していく世界が
また、とってもいいです。

ふと現実に返った物置小屋の中は
もはや、惨状と呼んでも差し支えないような状態ですが
女の子は、満足そうです。
(この後、大人は泣くと思います!)

そして消される物置の明かり。

ここで終わっても、十分魅力的なんですが、
ここでもう一ひねり
この一ひねりがまた、幼心をくすぐってくれます。

めっちゃいいわ~。
すご~く幸せな気分になっちゃいました…。



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