本屋大賞にノミネートもされていた
川口俊和さんの作品です。

本屋さんの前を通りかかるたび
PVがず~~~~~~~~~~~~~っと流れていて
深層心理に興味を植え付けられちゃったのか
最初それほどでもなかった ”読んでみたい度” が
徐々に上がったように思います(笑)

それで、ちょっと人さまのレビューなんてチェックしてみる。
と・・・・・・・・
あ、あら!? 結構な酷評!?

でも、ためしに読んでみることを選択してみました。

で。

ん~~~~~~~~~
『罪の声』、『検察側の罪人』 と
重た目の作品を2作連続で読んだ後に手を出したからなのか
ちょ~~~っと物足りない印象になってしまったかなぁ…
本屋さんが一推ししてくるようなとっておきの1冊って感じではない気がします。
とは言え、
レビューでみた酷評ほどにも酷くもないんじゃないかな。

内容は、所謂、タイムリープを取り扱ったSF… いや、FTでした。
喫茶店・フニクリフニクラのある席に座り
特別なコーヒーを飲むと、そのコーヒーが冷めきる間だけ
自分の行きたい時間へ行くことができる…と。
ただ、そのタイムリープには制約がかなりあって
コーヒーが冷めるまでなんていう短い時間もそうだけれど
タイムリープできる席からは動けないとか
どんなに頑張っても過去は変えられないとか
その他もろもろルールが付いてきます。
この辺、タイムパラドクスが起きない上手な設定!(笑)

人間だれしも ”もしもあの時…” ってな瞬間があるわけで
現実に起こったことは変えられないのだとしても
”あの時” にもう一度立ってみたいと思ったりするでしょう?
それを叶えるお話が
1.結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
2・記憶が消えていく男と看護師の話
3.家でした姉とよく食べる妹の話
4.この喫茶店で働く妊婦の話
の4つ収録されています。

どれもボロ泣きさせる話って訳じゃありませんが
少なくとも、理不尽な出来事に心を蝕まれていくような
ギリギリする痛みはありません。
優しい白昼夢のような物語です。

心が一休みしたいときにど~ぞ♪



2017.05.29 検察側の罪人
来年公開予定映画の原作です。
雫井脩介さんの作品です。

『罪の声』もなかなかのボリュームでしたが、
この作品もボリュームたっぷりで500ページ超えの大作でした。
そして、内容も重たかったですね…。
読み終わって、何とも言い難い気持ちになります。

映画も未公開ですし、物語はサスペンスなので
あまり内容をつまびらかにするのはいけないよなぁ。

でも… なんだろ。
そう… テーマとしては
”正義” とは、何か?
ってのがありそうです。

正義。
難しいですね。
『相棒』 の杉下右京さんなら、シンプルに答えてくれそうですが、
それはそれで、人間としての揺らぎがまったく考慮に入らないので
一般的な感じ方とは少し違う気がします。
かと言って、なんでも情状酌量していたらキリがないし
斟酌の度合いが人によって違っていることもあって
それも ”正義” から離れてしまいそうです。

この作品の中、極めて最初のほうに
「その正義っていうのはなんなんだよ? 残念ながらそんなものはないぞ。
 あるとすれば、それは偽善者の幻想だ」
なんてセリフが出てきます。
これは、お酒の席で検事の雛たちが交わす戯言(?)の中に出てくるんですが
実は、この物語の中核をなす考え方なのかもしれません。

話は蒲田で起きた老夫婦殺害事件の犯人とされる男が
送検されてきて、それを落とすべく取り調べをしていくシーンが
前半、多く描かれています。
だけど、話の中心はそっちじゃない。
容疑者と警察、もしくは検察の丁々発止を描いていくのが
よく見知った話のパターンだと思いますが、この小説は違うので。
スポットはほぼほぼ取り調べる側に当たっています。

小説としては、途中、あまりの ”ありえない展開” に心が離れそうになりますが
映像化には向くかもしれないですね。

物語の主役は2人の検事。
一人目は刑事部本部係の最上毅検事。
演じられるのは、今回で、検事役は『HERO』の ”久利生公平” と
2度目になるのかな?
もっとも今回演じられる最上検事は正統派エリートのようですが。
そして、もう一人の主役は
その最上検事を慕いながらも、後に対立してしまう後輩の沖野検事。
こちらは、四男さんに配役が決まっているようです。

知力と精神力を振りしぼっての対決は真っ白な火花が散るような
苛烈を極めるものになりそうです。
見ごたえ、あるんだろうなぁ… (いや、あって欲しい!)

ただ・・・・・・
いやいや。
公開を待とうと思います。




2017.05.22 罪の声
番組改編でもうこの番組はなくなってしまったんですが…
"books A to Z" で紹介されていた1冊です。
これは、是非、リンクを貼った番組のページに飛んで
ブログの文章と、音声と両方チェックして頂きたいです。

さて、と。
作品ですね。

この小説は、塩田武士さんの手によるものです。
小説です。フィクションです。 
そう、フィクションではありますが、モデルになった事件はあります。
ある一定以上の年齢の方なら、誰もが覚えておられるんじゃないかな。
”グリコ・森永事件” ・・・・・・・
まぁ、事件事故はどれも嫌なものですが、
これもイヤな事件でしたね。しかも、未解決。
でも、未解決だからこそ、憶測を呼ぶし、いじりたくなるのか… --;

プロローグは、ある男性の探し物から始まります。
母親に頼まれて、アルバムを探すんですが、
そのとき、偶然見知らぬ箱に気がついて…
開けてみると、黒革の手帳とカセットテープが出てきます。
手帳には、びっしり英文。
好奇心から、テープも再生してみるんですが
そこから流れてきたのは、昭和の未解決事件で使われた
脅迫の音声テープ。
しかも、その声の主は、幼いころの自分!?
これって一体どういう!?
自分の家族が恐ろしい犯罪に関わりがあった???
その疑念をはっきりさせるべく、この男性は事件を探っていくことになります。

一方、とある新聞社の ”年末特別企画” とやらに駆り出された
のんびり者の記者も、この ”グリコ・森永事件” じゃなかった、
”ギン・萬事件” を追うことになります。

何かを調べると言うことは、
気の遠くなるような膨大な労力を惜しまず使うこと。
だとは思いますが、(事件に限らず、ですよ!)
この小説の中でも、それは変わりありません。
運とか、タイミングとかあるんでしょうけれども、
最初、雲をつかむような話だったのが
細い糸を手繰るようにして段々近くなり、実像を結んでいくんですが
その緊迫感たるや。
ページをめくる手が止まりません。

明らかになっていく真相
犯罪に手を染めた人たちの暗い心のグロテスクさ
そして、巻き込まれてしまった罪のない人たちの
理不尽な事件後の人生
もう、どれをとっても心がかき乱されます。

これ以上書きすすめると、うっかりすべてネタばれしてしまいそうなので
この辺で止めておきますが、
サスペンスがお好きな方なら、嵌れると思います!
409ページとなかなかにボリュームがありますが
読んで! 読んで! 読んでーーーーーっ!



これもまた "books A to Z" で紹介されていた1冊で
松田青子さんの短編集です。
231ページで17編が収められているので、1話1話はかなり短めです。
なので、隙間時間にもラクラク読めます。
が!
1話1話別の話ではあるんですが、ゆる~~~く繋がっていたりするので、
出来ればあまり細切れじゃなく、まとまった時間に読むことをお薦めしたい♪

ん~~?
サブタイトルって訳じゃないのかもしれないですが
帯に隠れた場所と、作者紹介のページに
『おばちゃんたちのいるところ』のほかに
『The Wild Ladies Are』と付いています。
ぷぷぷぷぷ!
ピッタリ!!! あまりにもピッタリなサブ・タイトル(?)!!
人間(?)って逞しいよね! ってか、逞しく生きなきゃ(?)だめね!
まさに、そう言うある意味とってもポジティブな物語たちが収録されています。

加えて!
そのポジティブな物語たちには、下敷きにした物語があって
これがまた、素晴らしいラインナップで♪
歌舞伎あり、落語あり、民話あり。
すべての話のモチーフにした話のタイトルもリストアップされているので
それも嬉しいところ。(今は簡単にネットでどんな話なのか調べられるし!)
まぁ、そのままのイメージを残した話もありますが、
わざわざ元の話のイメージを逆手に取ったりしていて倍楽しめます。

1個1個紹介したいけど…
ちょっと紹介すると、ホントに短編なんで、中身全部書いちゃいそうで。^^;;
登場人物(?)の中で最もインパクトがあったのは
1話目の『みがきをかける』の主人公のおばちゃん。
キョーレツ! 
じわっと来るのが 『彼女ができること』。
ありそで、なさそ。なさそで、ありそ?

気持ちが落ちて行っている最中でなく、
凹むだけ凹んだ後
元気になりたいと思ったときにこそお薦めしたい1冊です。
なんとかなる! なるようになる! ってか、ならんもんはならんし!
って思えるかも。


ふははっ
実は、衝動買い的にCDも買っちまったぜっ!
あかん……(^_^;)

さて、第14巻まで読み進んでます。
うん、今のとこ最新刊です。

感想は……、号泣してて書けません……


ベタな展開なんだけど、だからこそそれに
浸っていたい、酔っていたい
涙にくれてたい