2018.06.02 水域
小姫が表紙の雰囲気にひかれて
お値段が張るにも拘らず、衝動買いしてきた
漆原 友紀さんのマンガです。

日照り続きで取水制限のかかった町に住む中学生、川村千波は
水泳部のランニング練習時に暑さに中てられて倒れてしまう。
その倒れているときに、雨の降り続く村の夢を見ます。

妙にリアル。そして、知らない場所の筈なのに、知っているような感覚。
殆ど人がいないその静かな村で、千波はスミオという男の子と
その父親だと言う人に出会います。
やっぱり初対面の筈なのに、懐かしい気がしてしまう千波…。

意識が戻っても、夢の中の村の記憶が薄れることはなく
昏倒するたびに、その村へ行ってしまう千波。何故に!?

ネタバレになっちゃいますが、
もう、のっけからの雰囲気で、
あぁ、ダムの底に沈んでしまった今はもうない村の話なんだなと
直ぐに感じられます。

ふるさと……
心の拠り所となる場所… ですよね。
でも、そのふるさとをよんどころない事情で失ってしまうことも
あるわけで。
ダムの底に沈んでしまうというのは、その最たるものかもしれません。
そこから追われてしまった人々は
別の場所で生活を根付かせていたとしても、
どこか根なし草のようになってしまうのかな…
この歌のように → 

そう言うことを背景にしたマンガが、切なくない筈もなく。
じんわり胸が痛みます。

今はもうない筈の村と現実を行ったり来たりする千波。
そこにずっと住んでいると言うスミオは誰なのか。
そして、その父親だと言う人がどうしておじいちゃんと見紛うほどに
年老いているのか。
なぜ、村にはほかに人がいないのか。
降らない雨と、降り止まない雨が何を意味するのか
滝つぼに住むと言われた竜は、ただのおとぎ話か、現実か。
竜の玉はだから、本物か、否か。

ストーリーは謎めいて、
読み手の胸を締め付けながら進んできます。
現実と、もうない村の時間をあざなうようにして。

幻の村がイコール、死者の国と言うわけではなく
だけど、現実ではなく
なんとも不思議な存在感です。

日本は、八百万の神々が住まうクニ。
この村は、その住まいの端っこにでもある場所なのか…

そんな風に、人ではないもっと大きな力を持つ者の気配を
肌に触れるような近さで感じさせてくれる作品でした。
1度も龍神さんがその姿を現すことがないにもかかわらず、です。

雰囲気のある絵と、物語です。
もうすぐ梅雨。窓に伝う雨の音を聞きながら
是非読んでいただきたい♪




正式タイトルは
『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』
かな?
もしかして、それにプラスして、 『鉄欠乏女子を救え!』 まで
入るのかも。
ま、どちらにせよ、長い長いタイトルであることには変わりませんね!
精神科医である奥平智之さんの文章にいしいまきさんの絵です。

えっと。
そういう本を読みました。
最初は新聞の広告欄で見たのだったっけかなぁ。
で、ちょっとレビュー覗いたら、
何故、ドーナツなんかのお菓子類を食事代わりしてはいけないのか
ってことが、分かりやすく書いてありました。
ってあったので、ちょっと興味引かれて。

確かに、分かりやすかったです。
ただ、マンガでわかると言うほどにはマンガの部分は多くなく、
イラストは添えてあるものの、基本は栄養の摂り方について
文字多めで説明が細かく書いてありました。

糖質ダイエットは有名になりましたか?
でも、一方、炭水化物をやたらに抜いてしまうと
それはそれで、身体に支障が出るというデータもあるようで。
結局何が正しいのかはよく分かんないってのが
私の本音だったりしてます。
(じゃあ、読むなよっ!!!ってか?)

これは、ダイエット目的の本ではなくて、
あくまでも、医食同源の指南書のような本で
食べ物の食べ方の処方箋として捉える本だと思います。

うんうん。血糖値の急激な上昇下降がどう心に影響するのか、とか
ビタミンBがどう身体に必要なのかとか
必須アミノ酸のこととか、油の種類についてとか
貧血じゃなくても、鉄欠乏と言うことがあり得るのだとか
そう言うことが、例を引く形で書いてあるので、
結構本格的なことが書いてあっても
なんとか最後まで投げださずに読み終わることが出来ます。

医食同源と言えば、東洋医学だと思うんですが
西洋医学との違いも説明があります。
うん、ちょっと身びいきも入ってるかな? (笑)
病気の症状とピンポイントで戦う西洋医学と
自分の本来持っている治癒力を高める形でおさめる東洋医学。
よく言われる通りの説明ではありますが
そうなんでしょうね。
未病と言う形の内に対処する。
これは、東洋医学の考え方だと思いますが、
かなり有効かなぁ、やっぱり。

ただ… 
分かっていても、実践は色々難しいですよね。
ご予算の問題なんかもありますし。

取り敢えず、最近イライラしている小姫に
食事日記つけることはお勧めしてみよっかな~~~。



若竹千佐子さんの芥川賞受賞作品です。

毎回 ”芥川賞” と ”直木賞” ってどっちがどっちだか
分からなくなっちゃうので、ちょっとメモっぽく。^^
芥川賞と言うのは、新人の純文学作品に贈られる賞のようですね。
因みに、純文学とは大衆受けよりも、
作者の純粋な芸術意識によって書かれた文学だとありました。

ふむふむ。成程。
成程、とか言いつつ、芸術的なものであることと
大衆受けすることとは、別話なのかぁ… なんてことも
思ったりしています。

ま、ご託はいっか。

さて、『おらおらでひとりいぐも』です。
意味は… 私は私で一人で生きます なのかなぁ…
東北弁、良く分からないです。
本文にも、多く東北弁が書かれているんですが
ところどころ、「???」 となります。
これ、人が話してるのを聞いたら、またちょっと違って
もう少し、分かるような気がするんですが、字面って難しいです。

主人公は桃子さん。
窓に映った我が身を見て、山姥がいる!とぎょっとする場面があるんですが、
つまりは、そう言うお年頃、と言うことです。
主に、この桃子さんの ”ひとりがたり” のような形で話は進みます。

近頃、思考に捉えどころがなくなってきたなぁと
もしかして、痴呆なのかなぁと
そんな疑いを自分に抱いてる場面から始まります。

思考は、子育ての頃だったり、
自分が子どもの頃だったり、
結婚間際に故郷を突如捨ててしまった顛末だったり、
ご主人が亡くなってどんなだったかだったり、
時間軸に沿うこともなく、
本当に取りとめなく、あちこちに飛びます。

じゃあ、読みづらいのか? と訊かれると、
そうでもない。
なんとな~く、どことなな~く、文章が七五調っぽかったり
東北弁故なのか、メロディアスだったりして
文字数も少なめなことも手伝って、気が付いたら、
ページがだいぶ進んでいて、
気が付いたら、あら、最終ページ…
ってな感じで読み進めちゃいました。

でも、さらさら読めるにもかかわらず、
内容は、”老い” についてのあれこれで、
”死” についても、やんわり触れていて
決して、明るい内容ではありません。

もう、”老い” とう言葉と馴染むような我が身。
あれこれ、身につまされ、ぎくりとします。
生き様についても、桃子さんは回想してるんですが、
読みながら、独り、あぁ、似たり寄ったりだったりするなぁと
図星指されたようで、きまり悪く思います。
あまりに決まり悪いので、少なくとも今は、読み返せない…^^;

人は色々経験して、傷ついたり、傷つけたりして
絶対に何がしかの後悔を抱えて生きているものだけど
それが当たり前なんだよなぁとしみじみ思います。
で、その後悔、自分で思うより、
絶対的に ”悪いこと” でもなかったりするんだろうか…
なんてことも。

初めのページは、孤独そのもののシーンから始まって
最終ページは、際の際で、やっぱり一人ぼっちではないと
さらりと描いて終わっていきます。

非常に、印象的な作品でした。
うん、印象的。



箏曲部を舞台にしたこのマンガも早17巻ですね。
早いと言いつつ、待つ身には長い待ち時間ですが。^^;

話が出来過ぎている。
こんなに上手くいくはずない。
こんな、突然結成したようなメンバーで、地方予選を勝ち抜き、
全国大会になんて行ける筈がない。

うん…
現実的にはそうなんでしょうが…。
やっぱり、こう言うスポ根ものには
ちょっとシンデレラ・ストーリー的な要素が不可欠ですよねぇ。

さて、と。中身ですが。

時間はその歩みを止めることなく、マンガの中の世界でも
かなり時間が経っています。
2年生だった部長&副部長が3年生に。
1年生だった問題児たちも2年生になり
新入部員が入ってきたわけですが、
部活紹介では好感触だったのに
猛練習することが分かると、入部希望者は2人に!(笑)
その辺までが前巻だったんですが、
この巻では、その2人のバックグランドにスポットが当たってきました。
まぁ~~~~~、何の問題もないわけがないっ。

まずは、暗~い印象を受ける子のほうの過去が明らかに。
これは… 傷になるわ… という経験してました。
それから、チャラ男くんがどうしてちゃらんぽらんに ”ふるまう” のかも
チラリと出てきています。

あ~~~。
青春だなぁ。
青春と言う言葉から連想するステレオタイプの ”青春” 。
いえ、茶化してるんじゃありません。
羨ましいんです。素直に、単純に。ただただ羨ましい。
人間生きている限り、色んな経験をして行くわけですが、
やっぱり、ある時期にしかできない経験と言うものはあるんだな。
自分の過去を後悔するってのはないけど。
(たぶん、選び直せるチャンスがあっても、同じ道しか選べない。)
ないけど…
こう言う ”青春” しておきたかった… かな。

でも、当時の私は、自分自身に失望していて
うん、能力的なものに失望していたんじゃなく、
人間的な質について、もう、どうしようもなくがっかりしていて
もう、ある意味、抜け殻化していたんで、
絶対出来ない経験だったんですが。

今でも…
自分自身に期待してないのは、変わってないんだけど~(笑)

仕方ないっ
マンガ読んで、バーチャル青春しておきます。



ヨシタケシンスケさんの書かれる絵本です。
ヨシタケシンスケさん、面白い作家さんですよね。
物事の切り取り方が独特!

ニュース番組で特集が組まれたことがあって
そのとき取り上げられた作品の1つが 
『りんごかもしれない』 だったんですが
その1作品だけで、好きになっちゃいました♪

普通、りんごがそこにあったら、
りんご ”かも” しれない、とは思いませんよね?
あ、りんごだ、って思う。
そこを、あれはもしかしたら… と想像の翼広げるのです。
その ”もしかしたら…” の向こう側にある言葉がまた
とんでもなく、かっ飛んでいて
そんなことあるかいっ!!
って、ツッコミ入れながら、読むレベル。
でも、それが、イヤな感じじゃなくて、笑っちゃうような飛び方で
よくここまで考えられるな~って感心してしまう。

道理をわきまえるのが大人なんだろうけれど、
そして、それって、生活していく上ではとっても大切なんだけど、
つまんないんだなって、つくづく思っちゃう。

今回この 『あるかしら書店』 も
同じく、かっ飛びっぷりが楽しい作品でした。

読んで字のごとく、
ある街にある ある本屋さんのお話なんですが、
品ぞろえが、また、うふふふふ なんです。
店長さんは、本のソムリエのような人で、
おいでになるお客さんに
こんな本ありませんか? と訊かれると
ピッタリの本をお勧めするんですが…

これ以上書いちゃうと、ネタバレになっちゃうので
止めておいた方がいいでしょう。
私としては、分かっていても読んで楽しいですが♪

本好きな人なら、絶対ニヤニヤしながら読む筈です!
ニヤニヤが止まらない筈です!
この本の中、最後にやってくるお客さんに至るまで♪
ニヤニヤしちゃう。
そのお客さんの問いに本のソムリエのような店長さんは…
あぁっ、もうこれ以上言えないっ♪

もう、楽しんでほしいっ!
誰もかれも、読んでニヤニヤして欲しい1冊です。